おにいちゃんだから　　福田　岩緒　著　　（文研出版）　を読んで

おにいちゃん　がんばれ

　わたしには，二つとし下のいもうとがいます。いつもいっしょにあそんでいる，ちょっとわがままで,ちょっとやさしい，いもうとです。この本を見つけた時，下にきょうだいがいることと，わたしとこの本のおにいちゃんが同じ学年ということで，この本を読むことにしました。

　おとうとに，ランドセルをさわられいたずらされたり，ノートにらくがきされたことがいやでなぐってしまったおにいちゃんの気もちは，よくわかりました。いつも，いつも，
　｢おにいちゃんだからがまんしなさい。｣と言われすこしかわいそうだと思いました。でも
　｢たかしが生まれてこなければおにいちゃんにならなかったんだ。｣
というところがありますが，わたしはそうは思いません。わたしもいもうととよくけんかをしますが，楽しいことがいっぱいだからです。

　わたしのいもうとも，たかしのようにゆくえふめいになったことがあります。そのときわたしは，ドキドキしていっしょうけんめいさがしました。だからおにいちゃんもしんぱいしていたんじゃないかなあと思いました。
たかしがゆくえふめいになってからのおにいちゃんは，がまんができるようになって，わたしは，おにいちゃんになったなあと思いました。だからわたしも，がんばってすこしずつおねえちゃんになろうと思います。

［　評　］
　この本を読んで，｢おにいちゃん，がんばれ｣　という気もちになっているようすが，すなおにかかれています。いやなことがあったにしても，いもうとやおとうとのたいせつさをかんじとり，あしたにむかおうとしていること，すてきです。